日常に潜む狂気、60年代美意識『ローズマリーの赤ちゃん』

今さら?って感じですが、

「ローズマリーの赤ちゃん」をWOWOWで観ました…。

私はもともと映画もアートもクラシック派なので、自分の等身大世代より

20~30年以上前の作品、さらには本当の意味でのクラシック、古典を好んでいるのですが

「ローズマリーの赤ちゃん」だけは何度も機会があったのに、

恐ろしくて観る気持ちになれないでいました。

で、鑑賞してみて「とっても面白かった!」という感想を持ち、

もっと早く観ればよかったよな~と思っているわけですが、敬遠してきたのには理由がありました。


その最大の理由が、監督がロマン・ポランスキーだったこと。

1950年代から活躍し、かつ大きなスキャンダルも多く、社会派のドラマ作品も多い。

そんな作風の彼が創ったオカルト映画って、どれだけ怖いんだろう!?という想像。

そしてもう一つ、彼の奥さんだったシャロン・テートがカルト教団に惨殺されたときのエピソードです。彼女は妊娠8か月で、諸説ありますがお腹を切り裂かれたとも。


眠れなくなるほどの悪夢に襲われる気がしていて、何十年もこの作品を見れないでいたのです。


現代社会にひっそりと巣食う、サタニズムの不気味さ。

日常生活と隣合わせにして繰り広げられるおぞましき儀式。そしてその犠牲。

けれど白眉なのは最後の最後のローズマリー…!!

これはネタバレになるので控えますが、女って、母親って、、、、

と考えさせられる背筋の凍る思いがします。


それと別にして、60年代後半の中の上流社会の暮らし、ファッションなども注目です。



箱草子仮名手本。

泡沫のように浮かんではパチン、と消えていく。 その「束の間」にピンを指して標本にしてしまおう。

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