栄冠を獲得した不動のポジション

旬のとうもろこしをムースに仕立てた極めて食欲をそそるアミューズに舌鼓を打ちながら、

よく冷えた白ワインなどで喉をうるおしていたとき、

そのいかにも美食に慣らしてきたであろう同席の方が、ふと気軽な感じで尋ねる。

「あのさぁ、食べ物で何が一番好き?」

「え…(しばし絶句)。な、なんでしょうね…出てきません…(軽く落胆)」と答えると、

「おれはねぇ、考えたんだけどとうもろこしだってことがわかったんだよね!」とちょっと胸を張るような誇らしさで言う。

「実はこの手の何が一番好き?っていう質問が、地味にあちこちで聞かれることが多いと思うだよね。それで、時と場合によって適当に答えてたんだけど、あるとき決定打を持とう!って決めたわけ」。

「ふんふん」

「それで、ああでもないこうでもないって、思い浮かんだものがあったら徹底的に“本当にそれが一番か?”と自問自答していくと、意外に違うことが多いわけ」。

「違うっていうのは?」

「うん、だから、あんまり暑くて食欲落ちてるときと、昼飯抜かして何かしっかり食べ応えが欲しいときなんかで回答が変わっちゃうことがあるわけ。そういうのは徹底して排除していくの」。

「なるほど。で、その結果とうもろこしは不動だったというわけですね?」

「そう、そうなのよ。でさぁ、それから自分からもいろんな人に“一番好きな食べ物は?”って聞くんだけど、言いよどまずにバシって答えられる人があんまりいない。」


ということで、その夜明確な答えを持てなかった私は、2年ほどを費やしてとうとう見つけることができたのだ。そう、一番好きな食べ物を。


まあ写真で最初にわかっちゃってると思いますけど、そうです。餃子です。

んもーほんとに餃子が好きでして、しかもこのように「餃子が一番好きな食べ物です」と明言してからは一層餃子愛に拍車がかかっています。


金曜の夜なんかは、生ビールと餃子がご褒美感覚です。

時折、「餃子ツアー」と称して数人で餃子の食べまわりをしています笑


今こんな文章書いちゃってどうしてくれんの?ってくらい、今も餃子がとても食べたい私です。

箱草子仮名手本。

泡沫のように浮かんではパチン、と消えていく。 その「束の間」にピンを指して標本にしてしまおう。

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