こりゃガッカリ!な日本語タイトル「ドリーム」

有料放送の映画でも見ようかな~…と

しかもネットのオンデマンドで。

開く画面はこんな感じで表示されるんだけど、

このなかからいくつかを開いて、ざっくりしたあらすじを確認してみる。

自分は比較的、クラシックな映画が好みで

ジャンヌ・モロー主演の「突然、炎のごとく」あたりを見始めたのだけど

なんだかその夜においてはもっとわかりやすい映画…、

そう、ハリウッド映画がいいなーと思い直したのだ。

で、真ん中あたりにカーソルを移動すると「ドリーム」という映画があった。

深夜1時をまわっていて、私はこのアフリカ系アメリカ人の女性3人組のアイキャッチ画像と

「ドリーム」というタイトルで、

「ああ、あのビヨンセの出てたミュージカルなら何度も見たからいいや…」と

スルーしかけた。が、

「んんん!?ちがうな、これ中央のタラジ・P・ヘンソンだよな!?」と二度見する。

それで思い出した。昨年のオスカーでさんざん話題になっていた新作じゃないか。

クリックしてみると、やはりそうだ。

1960年代、NASAの“マーキュリー計画”を陰で支えたアフリカ系女性たちの奮闘を実話に基づいて再現。第89回アカデミー賞で3部門にノミネートされた感動の秀作


それで見始めたんですよ。

1961年、ソ連の人工衛星打ち上げでケネディ率いるアメリカは宇宙計画において

ソ連にリードを許し、有人宇宙船計画への強いプレッシャーがかかっていたとき。

おりしもまだまだ人種差別が日常的で、お手洗いも白人用と非白人用に厳しく分けられているほどの時代背景にあって、タラジ演じるキャサリンら、超天才アフリカ系アメリカ人女性らも

NASAで働いていた。

。。。。。。最終的にNASAが必達目標としているミッションにおいて、人種や性別とか

結局どうでもいいから有能な人間に貢献してほしい!という状況が功を奏して、

彼女たちは自分にしかできない仕事をつかみ、成果を挙げて人生を歩んでいくというお話だ。


なんで日本題「ドリーム」?主役クラスの女性3人の夢をかなえていく話じゃないよね??

アメリカの有人宇宙飛行も「夢」ってレベルの話じゃなくて、国の沽券にかかわる話だったよね??

原題は「Hidden Figures」。直訳すると「隠された人たち」みたいな感じ。

そう、この映画は事実に基づいてつくられていて、原作がある。

この原作が発表されるまで、この歴史的偉業に名もなき女性たちが大きな貢献を果たしていたことは

歴史に葬られていた。いや、見捨てられてきたのだ。


日本題をもし本国の制作関係者が見たら、理解したら、

「日本人てばかなのかな?」って思うんじゃないだろうかと心配になる。


おそらくは、私が冒頭でビヨンセの出演したミュージカル映画「ドリームガールズ」と

混同したように、アフリカ系アメリカ人女性3人組をフィーチャーしてあわよくば

その印象にのっかって興行収入を挙げようとしたんじゃ…。

キャストが実力派で本国では著名でも、日本ではキャッチーじゃなかったから

ひとつの戦略としてつけたタイトルなんだろう。


でも、とても残念な気持ち。


箱草子仮名手本。

泡沫のように浮かんではパチン、と消えていく。 その「束の間」にピンを指して標本にしてしまおう。

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