不世出の人々。「エデンの東」

早熟な子どもだった、と思う。

中学生で夢中になった映画は、「風と共に去りぬ」とか「エデンの東」とかで、

常に興味を親の世代もしくは、その上の世代の青春時代のころに充てていた。

40歳を超えた今も、愛する映画は「男と女」や「追憶」などだったりする。


先日、幾度も見た「エデンの東」を改めてテレビで見て、

それでも身の打ち震えるほどの感動をじわじわと味わい、名作の持つ計り知れぬ力を

ある種畏怖の念で感じたのだった。


私のようなこの時代のオタクからすると、本作はクレジットを見るだけで震える(笑)。

主演は言わずと知れた、夭折のイコン、ジェームス・ディーンであり、

原作はジョン・スタインベック。たくさん読んだな~

あの世界観そのものともいえる音楽はレナード・ローゼンマン。


ああそして。

監督こそはあの、エリア・カザン。

カザンの人生については別の機会にしっかり書きたい。


あらすじはコチラをご興味ある方は御覧になっていただくとして、

私が改めて今回感じたのは、まさにこれだ。

名映画評論家であった淀川長治氏をしていわく、

父に豆相場で儲けた大金を贈ろうとして父に拒絶されるシーンで「身体中から悲しみの声を振り絞り、男泣きに泣き出してしまうところのディーンのセリフと演技は、まさに彼の他にあれだけ悲劇的な詩情を匂わせる役者はいない」。


そして、小森和子氏の言及するこのこと。

この映画の原作を「親子・兄弟・男女の愛憎をそれぞれ描いて、人類が住むこの地上の世界が全て『エデンの東』であることがテーマである」と述べている。

いずれも引用はwikiです。


この2点が、ようやっとわかるようになった。

今はじめて私は「エデンの東」と遭遇したのだといえよう。

ぜひご覧になってみてほしい。

箱草子仮名手本。

泡沫のように浮かんではパチン、と消えていく。 その「束の間」にピンを指して標本にしてしまおう。

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