Driving Ms.×××

昔からよくタクシーに乗ります。

よく、タクシーに乗ることを贅沢と感じられる場合があるようですが、

金銭だけ以上に価値がある場合には、そうとも言い切れないと思うんですよね。

photo by WarmSleepy

そんなわけで、しょっちゅうタクシーに乗りますが

面白い話をよく耳にします。というか、まず最初に

「この方はこのテーマでネタを持っているかな?」という探りのジャブとなる会話を

最初にぽんと投げてみます。

その反応を見て、おとなしくひっこむ場合と、「来た来た!」とノリノリで本題に入る場合とがあるのです。


そのなかで面白かったトピックをご紹介しますね。

『絨毯バー』の話。

絨毯バーってご存知ですか?文字どおり、絨毯の敷き詰めてある格調あるバーのことなのですが、

基本的に紳士のみの店。従業員も男性で、ひざまづいて接客するようなクラス感だったとか。

青山にある老舗のインターナショナルスーパーのことを、道すがら話題にしていたところ、

非常に言葉も発声も美しい運転手さんが、

『そういえば、まだ私が会社員をしていた頃、そのスーパーの社長さんと

絨毯バーにご一緒したことがありましたねぇ』とおっしゃる。

なになに!?それ?絨毯バー!?

俄然身を乗り出す私。

なんでも、昔、渋谷の宮益坂を登り切ったあたりにもひとつ、絨毯バーがあったそう。

そうしてどんなバーだったのかを上記のように聴いたわけです。

後日調べてみると、ネットにもちらほらと登場する絨毯バー。

この運転手さんに聞かなかったら、私のなかに絨毯バーの存在は生まれませんでした。


もうひとつ、面白かった話があったのですが難しくてよく意味がわからなかったものがあります。

銀座1丁目と銀座7丁目、南青山1丁目と南青山7丁目の話。。

なんだっけ、日本橋だか新橋との関係なんです。

『えーーーーっ!』と絶叫したほど当時驚いたのに、内容が思い出せない。


最近議論が白熱したのが『自殺遺伝子』の存在です。

ジョンズ・ホプキンズ大で突き止められた研究成果で、作家のヘミングウェイの家系を

語る際にもこの遺伝子の話がされることがあります。

まったくそれまで自殺なんて想定もしないような人生を送っていた人でも

この遺伝子がスイッチを発動するや否や、不幸にも実行されてしまうという。


限られた時間を有効に活用するため、

体力のピークを『ここぞ!』というところに合わせるため、などなど

タクシーを使うにはしっかり目的がありますが、

時折、利害関係のない一期一会のなかで繰り広げられるこうした会話を

楽しみにしていたりするのです。



箱草子仮名手本。

泡沫のように浮かんではパチン、と消えていく。 その「束の間」にピンを指して標本にしてしまおう。

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