6月の憂鬱。日曜の夜。湿度をふくむ風。今週はとてもハードで、そろそろ体力気力の最高潮でのキープは限界になるなぁ、20日が過ぎたら倒れるだろうから、なんとかそれまで持ちこたえられる状態を努めて心がけよう。そう思って6月に臨み、そして予定どおり18日から発熱を解熱剤で押し込め、20日夜には解熱剤を止めていったん放出してみたところきれいにデトックスしたかのように過ごした。24Jun2018Life
眼中の人、「九条武子」を思ふ。書きたいな、あの人のことを書いておきたいな、といつも思っていても、片りんすら書ける気がしなくてそのままにしている。九条武子さんのことだ。西本願寺の姫と言われた女性で、「大正3美人」の1人に数えられた才媛。くだんの芥川ホリックだった時代、芥川に連なる人たちや場所、などなどを芋づる式に辿って行ったことがある。そのなかで当然、親友であった菊池寛にもぶちあたる。菊池と言えば、文芸春秋社の創設者であり、自身も優れた流行作家のひとりだった。菊池の作品は、今になってみると芥川より私の好みかもしれず、なかでも「無憂華夫人」こそは、この九条武子をモデルにしたものといわれ柳原白蓮から流れ着いて九条武子を調べていた私は夢中になって読みほしたものだ。「無憂...22Jun2018Book
青春は、ないものねだり。ときに、芥川龍之介の代名詞として『敗北の文学』と言われることがある。そして痛さ全快だった十代の終わりに、私は「芥川龍之介を好きになろう」と決めた。自殺した二枚目の文豪を好きな自分、というブランディングがしたかったんだろうと今になって分析してみるとわかるのだ。実際、芥川の文章は美しく、丹念に言葉を吟味されて選ばれたいわく「玉(ぎょく)のような」きらめく文章だった。すぐに魅了され、食費を削って当時岩波書店から新版で登場した芥川龍之介全集を毎月買いそろえたものだ。15Jun2018Book
「ムダメシ」をたらふく食ったかどうか学歴に人生は左右されるだろうか?ずっとたぶん、この問いに対して明確な答えを持たなかった。しかし個人的な体験と他者の事例を観察して行きついた答えは、「最初の就職」は、学歴に左右される。しかし、その後は個人に左右される。ということ。学校を卒業して最初の就職などは、学校名だけでアタックする権利すら与えられないことなんてよくあるお話。ましてそこに女性であったらなおさら。悲観論ではなく、実際そうだった。13Jun2018OTHERS
汚れっちまった悲しみに郵便ポストにふくらみのある白い封筒を見つけ、宛先に見覚えのある名を認めて、心臓がぎゅっとつかまれるような思い。あれほど待ち焦がれ、いつか待つのを諦めたそれは、手紙を出してから早くも半年がたち、私のなかでの記憶も薄れてきた頃に、突如現れたのだった。11Jun2018Life
あたし、生まれ直したお誕生日におめでとう。ふふふのふ、と。今日は個人的な記念日です。それは、私がもう一度生まれた日。もう一度、生まれることを許された日です。5時間だったか8時間だったかの手術を終えて家族を想像できる最大の悲しみと不安の底に突き落として私は生還しました。全身麻酔が切れゆく、夢うつつの世界で観た、たくさんの幻影のうち忘れられない光景があります。05Jun2018Life
その洋服が自分を苦しくさせる「着たいお洋服と似合うお洋服は違う」。これは私が気に入ってよく使う表現のひとつだ。使うシーンは、ファッションの場ではないのだけれど。仕事の適正のことなのだ。02Jun2018OTHERS